食べ物の話【7】 千駄木「乃池」
一昨年の夏、千葉の飯岡漁港で、人生で初めてアナゴを釣った。そんなに大きくなくてリリースすべきかどうか微妙なサイズだったけど、針を飲まれちゃっていたので持ち帰った。
当時は釣りも料理も始めたばかりだったから、アナゴをさばく技術なんて到底なく、ボロボロになってしまったちびアナゴを無理やり塩焼きにして食べた。でも、自分で初めて釣ったアナゴはおいしかった。
それ以来、自分で煮アナゴを作りたくて、何度か夜釣りでアナゴを狙ってみたことはあるけど、まあ釣れず。
結局、アナゴ食べたい欲が勝ってしまい、お店を頼ることに。アナゴ料理の名店を探した末、見つけたのがここだった。
開店は11時半。行ったのが土曜日だったし、きっと混むだろうと思って開店30分前に到着したら、やはり先に6人くらい並んでいた。
コロナ対策の関係もあって店内に入れるのは14人ほどで、周りのお客さんはみんな酒とつまみを頼んでいたので、おそらく回転もよくない。テイクアウトもやっているけど、もし店内で食べたいようなら早めに並ぶのがおすすめ。
周りが土曜日の昼からおいしい魚介をつまみつつ酒を嗜んでいるなか、自分はアナゴ寿司(8貫税込み2,500円)を即注文。飲み物もお茶のみ。
寿司は大将が1人で握っているので、入店してから20分ほど待って、ようやくお目当てのものが到着。
これですよ。求めていたものは。
大ぶりのアナゴの身に、たっぷりと塗られた甘辛いタレの照りが燦々と輝いている。
早速ひと口いただく。いやこれはすごい。ふわっふわでトロットロの身。ひと口噛んだらもう飲み込めるんじゃないかってくらい。
あっという間に1貫がなくなってしまったので、それ以降はめちゃくちゃ咀嚼しながら、アナゴ一切れずつと向き合うことにした。
ごちそうさまでした。今までで食べたアナゴ寿司とは比べ物にならないくらいおいしかったです。
とはいえ、これだけではお腹いっぱいにならなかったので、近くの交差点にある「今川焼 千駄木」さんへ。
ずいぶん歴史の長いお店みたいだけど、開店以来ずっと1個100円で売っているらしい。小麦製品がどんどん値上げしているなか、ものすごい企業努力だと思う。
つぶあん入りを1個購入。やさしい甘さで、食後のデザートにぴったりでした。
ご高齢のご夫婦?でやっていらっしゃるみたい。できるだけ長くこの味が楽しめますように。